ボルダリング中の壁の読み間違いと対処法

ボルダリングのトラブルシューティング

ボルダリングは、壁を登るスポーツであり、身体能力と戦略的な思考が求められます。
しかし、ボルダリング中には時に壁を読み間違えることがあります。
この記事では、ボルダリング中の壁の読み間違いについて、その原因と対処法について解説します。
正しい壁の読みをすることで、より効果的に壁をクリアすることができます。

壁を読む(オブザベーション)

「壁を読む」とは、登るべき壁の傾きや配置を正確に理解し、どのように進んでいくかを予測することを指します。「オブザベーション(observation)」「オブザべ」とも言われることがあります。
壁の読み方は、ホールド(手や足を掴むためのつかみ所)の配置やムーブ(移動する方法)の順序を把握することから始まります。

ホールドの配置

壁には様々な形や大きさのホールドが配置されています。
壁を読むことで、どのホールドを使うべきか、どの位置にあるかを把握することができます。

ムーブの順序

壁を登るためには、特定のムーブの順序が重要です。
壁を読むことで、どの順番でどのムーブを行うべきかを判断することができます。
間違った手順で登ると、どれだけ筋力や指の力があっても登れないような課題が存在します。

難所の特定

壁には難しい箇所やクライム(登攀)の課題が存在します。
壁を読むことで、難所を予測し、対策を立てることができます。
ジムの課題では、グレードが高くなるほど難所の数が多くなるため、成長するには、難所を見抜く「目」や、対策を立てる「頭」も鍛えていかなければなりません。
≪難所の数の目安≫
10~5級:0~1か所
5~3級:1~2か所
3~1級:2~3か所
1段~ :ほぼ全てが難所

ルートの戦略

ボルダリングでは、より効率的に壁を登るための戦略が重要です。
壁を読むことで、最短経路やよりエネルギー効率の良いアプローチを考えることができます。
ボルダリングは時間との闘いという側面があります。
できるだけ短い時間で正確に登ることが成功率を高めます。長い時間をかけてしまうと、体力や指の力を消耗し、適切なポジションを取れなかったり、ホールドを掴む力が不足したり、手や足を狙った位置に出せなくなり、ゴールにたどり着けません。
そうならないためにも、正しくルートを予測しておくことが重要になります。

壁の読み間違いの原因

ボルダリング中に壁を読み間違える原因はさまざまです。以下に一部の主な原因を挙げてみます。

適切な視点の欠如

壁を正しく読むためには、適切な視点が重要です。
適切な位置から壁を見ることで、ホールドやムーブの配置を正確に把握することができます。

身体的な制約

身体的な能力や柔軟性の制約により、壁のムーブやホールドの選択が制限されることがあります。
これによって、本来の意図とは異なる読みをしてしまうことがあります。

心理的な要素

ボルダリングは高度な集中力を要求するスポーツです。
緊張や焦りが壁の読みを妨げることがあります。また、自信の欠如や過度の自己評価も読み間違いの要因となり得ます。

壁の読み間違いへの対処法

壁の読み間違いを最小限に抑えるためには、以下の対処法を試してみることが重要です。

壁を詳細に観察する

ボルダリング前に、壁を詳細に観察しましょう。
ホールドの配置やムーブの順序を把握することで、より正確な読みが可能になります。
さらには、ホールドの細かな形状(小さな段差や凹み)に気づけるか気づけないかが、課題をクリアできるかを左右することもあります。色々な角度から注意深く観察してみましょう。
チョークが多くついている箇所がヒントになることが多いです。

複数の視点からの観察

壁を様々な角度から見ることで、より全体像を把握することができます。壁の向こう側から見たり、他の登っている人を観察することで、新たなアイデアや戦略を得ることができます。
特に、他の人が登っているのを観察することは重要です。
なぜ登れるのか?なぜ落ちてしまったのか?理由を考えると自分の成長にもつながります。

プランニングと実行のバランス

ボルダリングは計画と実行のバランスが重要です。
壁に取り組む前に、自分の能力や限界を正しく把握し、戦略的な計画を立てましょう。
しかし、計画通りに行かない場合もあるため、柔軟な対応が必要です。
特に、難所付近では、想像していたよりも動きにくかったり、ホールドが遠かったりして、計画が崩れることが多くなります。
もし、この動きでダメそうだったら、この動きをしよう。といった、バックアッププランを複数持つことが、その場での対応力を上げるためのコツになります。

フィードバックの活用

自分が登った後に、他の登り手やスタッフからフィードバックを受けることも重要です。
自分の読みの誤りや改善点を見つけることで、次回のトライに生かすことができます。
スマホで自分の登る姿を撮影して、確認するというのもよい方法です。
想像と現実のギャップが大きいほど、予想の精度が低くなるのでギャップを埋めることが大事です。
このギャップを埋めることで、次の予想の精度を上げることができます。
フィードバックは早ければ早いほどよく、登った時の感覚が残っている間(1分以内)にフィードバックをすると良いといわれています。

メンタルトレーニング

ボルダリングはメンタルな要素も大きく関わります。
緊張や不安を軽減するために、呼吸法やイメージトレーニング、瞑想などのメンタルトレーニングを取り入れることで、集中力を高めることができます。
大会やコンペなどでは、普段よりも緊張して本来の力が出せなくなることがあります。
このような場合は、「緊張する」練習をしておくという方法があります。
普段の練習時に、自分が緊張しやすい環境を作り登るといったトレーニングが有効です。
・見られることが苦手であれば、誰かに見てもらいながら登る。
・勝負弱ければ、誰かとセッションしてどちらが先に登れるかを競い合う。 
・時間制限を設定してみる。
など色々工夫してみましょう。

最後に

ボルダリング中の壁の読み間違いは、誰にとっても起こりうるものです。しかし、適切な対処法を用いることで、その影響を最小限に抑えることができます。壁を詳細に観察し、複数の視点からアプローチすることで、正確な壁の読みをすることができます。また、柔軟なプランニングと実行、フィードバックの活用、メンタルトレーニングも重要な要素です。これらの方法を取り入れて、ボルダリングの楽しさと成果を最大限に引き出しましょう。

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